めざせ!加古川特別

競馬はたまにやる程度です

人生でいちばん機会損失した日

コトの発端は、

とかいたところ(該当の記事は消えてますのでご注意)、彼は次の日に持ち前の表現力を駆使してぼくに「ケツを持て」と命じてきたので、男のケツはやだなあと思いながらも筆を取らせて頂きます*1

いやはや、彼の反応速度は相変わらず驚かされます。

さて、本題。

人生とは選択の連続である、とはご存知シェークスピアの言葉である。我々は常に選択の必要に迫られている。これは、その選択を誤ると貴重な機会を失うというお話である。

むかし、大学生のときだが、宿も決めずに遠いところへ旅をしたことがある。夜になったわけだが、腹が減っていたぼくは飲み屋に行った。まずここで一つ目の選択を間違えてしまった。

飲み屋で女性と仲良くなり、今日泊まることが無いと話すと「偶然ながら、私もホテル決めてない。駅前の適当なビジホで一緒に泊まらないか」と誘われた。ぼくはいいアイデアかもしれないと快諾した。二つ目の選択は概ね正しいとみなさんは判断してくれるだろう。

因みにこの時ぼくが快諾したのは、邪な期待からではなく、「ホテル代ワリカンなら安くなるな!」という別の意味での下心からであった。今思えばクソみたいな理由だが、実際お金はそんなになかった。相手は社会人らしく、当時のぼくは大学生だったので、それくらい期待するのは許してほしい。*2

フロントで「ダブルしかありませんが」と言われた。さすがに同じ布団で寝るのはやだなあと思ったぼくは「ダブルってことはふたつベットあるってことだよな」と勘違いし、あっさりと了承した。三つ目の選択は間違いは間違いでも勘違いだ。ちなみに、部屋に入ってから「あ!2つあるやつってツインか!しくったな…」と思い出した。つくづくアホである。

ともあれ、ホテル代も安くなってよかったなあ、と神様に感謝しながら、疲れていたのでとっとと明日の用意をした。先にシャワー浴びていいよと言われたが、明日の服とか出したりしていたので女性に先に譲った。女性は「先にシャワー浴びてこいよってやつだ!」とか言ってたような気がする(当然ぼくは荷物に集中してて適当に答えた)。今思えばとても見事な選択肢チョイスであり、なおかつ綺麗にフラグを立てていた。

烏の行水で風呂を済ませ、ベッドインした。なんで旅先で知らん女の人と同じ布団に寝てるのかと疑問に思わなくもなかったが、まあ安くなったしいいかと納得して耳を閉じた瞬間であった。


女性に耳たぶを舐められた。


一瞬なにが起こったかわからないぼく。当然である。人生で耳を舐められる事なんて、そうそうあるものではない。

気のせいか。そう思ったが、人肌の生ぬるい感触と湿り気がぼくの耳をまとってゆく。割と本気な感じだったので、戸惑い、そして身の危険を感じた。


女性はそのまま服を脱がそうとしてくる。


こう見えてもぼくは高校と大学で学祭の実行委員を務めていた。即断即決を迫られる事態は慣れている。なので、受験勉強から遠ざかり少し鈍くなった脳の演算力をもってしても、今後の行動方針はすぐに算出できた。選択肢は二つだ。


捨てる or 捨てない


ここで取るべき選択肢、皆さんならお分かりだろう。据え膳食わぬは男の恥。そう、「捨てる」だ。しかし、ぼくは、よりによってこの時に、とある考えが頭の中に浮かんでしまっていたのだ。

童貞じゃなくなったら童貞ネタ使えなくなるな……


これがネタなら、これが嘘なら、どんなに良かっただろうか。しかし、事実だったのだ。ぼくだって未だに多少の後悔があるんだから分かってほしい。


そして、よりにもよって、ぼくは「捨てない」方の選択肢を選び、そして抵抗運動に入った。最初は抵抗してあとは流れで、なんてぼくが許さない。土俵際こそ強くあれ。ぼくの出身国の国技は相撲なのだ。

抵抗運動が功を奏し、最終的に女性は我に返った。その後なぜか女性はしんみり泣き出した。泣きたいのはぼくの方だし本音を言うならなんなら出したいのもぼくのほうだ。

仕方なく話を聞くと、最近別れたらしく自棄になってこんなことをしたらしい。しかしぼくは変なところで人間不信なので、なんてことするんだこいつはと話半分に聞き流した。とても自分本位である。

冷静になって話をして、お互い笑える状態まで回復した。頭を冷やしたほうがいいよ、とぼくが言うと女性はそうだねと言ってタバコを買いに行った。それを確認すると急いで風呂場へ行き、不快感の残る頭部を洗った。何度も洗った。

結構してから、女性はタバコを携えて帰ってきた。悪戯っぽく笑いながら、する?と聞いてきたので、ぼくは笑いながら、願い下げだよと答えた。身体の二箇所は元気だったが、そんな気分には到底なれなかった。疲れたぼくを見た女性は、今まで生きてきて、だいたいの男はああやると落ちたんだけど、落ちなかったのはあんたが初めてだと言った。思わぬ処女を貰った。しかし童貞は守り抜いた。なんであのとき変な見栄をはったんだ。

ぼくの答えを聞くと女性は「だろうね。」と言った。時計を見るともう始発が動き出す時間だったので、2人でビジホをチェックアウトした。全額出すと言ってきたが、なんかこれ以上の縁を作りたくなかったので折半にした。2人で泊まっても1人で泊まる時と比べると1000〜2000円しか安くはならず、思ったより安くないぞと気付いたのは伝票を見たときだった。じゃあ1人で泊まればよかった……

それから、なんの呪いかは分からないが、今に至るまで女性とここまで行くような事はぼくには起こらなくなった。人生でたった一度、あれっきりだった。あの様子だとゴムは持ってなさそうだったし、人生初が膣内射精になっていたのかと思うと、笹松しいたけ先生に対して、「女体はゴムなしだぞ チンは鱈腹撃ってたぞ 汝童貞ソロで抜け」とプラカードを掲げること*3も出来たし、Twitterでこれが男だ中出しだと勝ち誇れたので少し勿体無い気もする*4。というか実際もったいなかったなとちょっと思う。

ただ、行きずりのズリネタ程度の話で大して面白くもないし、しなくて正解だったのかなとも思うのだ。勿体無いけど。それに、安易に流されない大切さも身についた。ちょっと後悔してるけど。

ちなみに、その何年か後に、奈良の行きつけの飲み屋で酔い潰れて、目を覚ますと店の常連さん(初対面)の家だったという事件も起こしているがそれはまた別のお話だ。男の人だったけど。

いつか、心から膣内射精出来る方に出会えますように。*5

*1:ケツなのに筆とかそういうことは言わない

*2:期待のベクトルがそもそもおかしい

*3:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/プラカード事件

*4:この辺は偏見と妄想である

*5:笹松しいたけリスペクト